マクロビ的土用の丑の日に食べるもの
土用の丑の日はうなぎを食べる日にあらず
2017年、世間一般的に言われる、夏の土用の丑の日は7月26日と8月6日。
土用とは、四立(立春、立夏、立秋、立冬)の前、18日(または19日)の期間のことを言います。
土用の丑の日にうなぎを食べるようになった由来は諸説ありますが、平賀源内が発案したという説がもっともよく知られています。
現代ではなんとなく夏バテに効きそうなイメージのあるうなぎですが、暑い夏には売り上げが伸びずに困っていたうなぎ屋が、売るためにはどうしたらよいかと、平賀源内に相談したところ、「本日丑の日」と書いて店頭に貼ることをアドバイスしたとのこと。
それが功を奏して、そのうなぎ屋が繁盛し、他のうなぎ屋も真似をするようになったので、土用の丑の日にうなぎを食べる習慣となったとか。
もともと土用の丑の日には、「う」のつくものを食べると夏負けしないという風習があり、それにうなぎを乗っけたということですね。
その他にも諸説ありますが、平賀源内の話が本当だとすると、相当な名コピーライターだと思います。さすが大江戸アイディアマンです!
しかし、本来的にはうなぎの旬は冬。夏にこってりとしているうなぎの売り上げが落ちてしまったということで、夏の暑さで体もばてているところには、あまり食べたくならない食材だったわけです。
ご参考までに。
うなぎの蒲焼もどき。
大和芋やレンコンをすりおろして海苔の片面に広げ、油でさっと揚げて醤油ダレをつけたもの。これはこれで美味しいのです。
土用の丑の日にはうのつくものを食べると夏バテしない
「う」のつく食べ物もいろいろありますが、昔の人々はこう考えていました。
うどん うり 梅干し
うどん・・・暑くなるとご飯が食べたくなくなるので、米よりも陰性なうどんを主食にし、食べやすい工夫をする。
うどんは小麦粉からできており、小麦の収穫は初夏。夏にできる穀物なので、秋以降に収穫する米よりも陰性な穀物となります。
夏はそうめんなどが食べ易かったりしますよね。
うり・・・夏野菜の代表、きゅうり。ぶら下がりものの野菜は、暑い夏に火照った体を冷ましてくれます。利尿作用もありますので、暑くて水分を多く取った体のむくみ対策にもなります。
梅干し・・・酸っぱい梅干しのクエン酸は新陳代謝を促し、汗をかいた体の塩分やミネラル補給にぴったり。暑い時期に、食中毒の予防にもなります。
昨年の夏、土用の丑の日にちなんだ、お料理教室を行いました。
メニューは、
うどんの胡麻味噌ダレ(うどんは自然栽培の全粒粉←うどん、美味しかった〜! 別に小麦アレルギーの方むけに発芽玄米麺も用意しました)
きゅうりの香味野菜炒め
白木耳とレタスのスープ
梅干しとりんごジュースの葛ゼリー
うの付くもので食べ方も一工夫
うどんはめんつゆでもいいですが、味噌と練りゴマを使った胡麻ダレでいただくと、主食としては軽い感じでも、味噌や胡麻でしっかりとした風味でコクもあり、満足感が得られます。
きゅうりは、下処理として、手に塩をつけて軽く表面を揉み、さっと熱湯をまわしかけます。こうすることできゅうりのもつ青臭さを取り除き、色も鮮やかになります。
夏にオススメの食べ方は、薄切りにして、きゅうりの重量の0.7%から1%の塩をして、軽く水気を切って、みじん切りのネギと生姜と一緒に炒めてみてください。
この塩加減は、体内の塩分濃度と同じくらいになりますので、食べてちょうどよい塩加減となります。
炒めてもきゅうりの持つしゃきっとした食感が残り、香味野菜の風味と塩をして炒めて水分が軽く抜けたきゅうりの甘さも引き出されて美味しいですよ。
お好みで胡麻油をつかったり、すりごまも加えてみてくださいね。
夏野菜ですが、体を冷やし過ぎない食べ方の工夫でもあります。
きゅうり単品でも。うどんと一緒にして食べても美味しい。
梅干しは、料理にもデザートにも
うどんの食べ方として、だし汁に叩きうめを加えたさっぱりとしたつけ汁も美味しいですよ。こちらは葛を引いて少しとろみをつけています。
梅干しをつかったデザートはいかが?
冷たくて甘いデザートが欲しくなりますが、梅干しをつかったデザートは、それこそ夏で疲れた体を陰性に傾き過ぎずに、活力も与えてくれます。
食べてみないと美味しさはなかなかわからないでしょうが、夏に体が喜ぶスイーツです。
りんごジュースに寒天と葛粉を溶かし、叩いた梅干しを加えて火にかけて練ります。
ゆるく作ればゼリー風。写真のように葛を多くすると、葛玉としてしっかりとした食感となります。
食欲のない時には、葛を多めにしてしっかりとした食べごたえに作るのもいいですね。
ということで、今年の土用の丑の日は、夏の暑さに弱っている体をいたわって、穏やかな食事はいかがでしょうか?
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