お台所の薬箱 食材AtoZ 山椒
山椒は小粒でぴりりと辛い
山椒は新芽、青い実、乾燥させてパウダーに使われ、独特な香りと辛さが、お料理を引き立ててくれますが、このことわざは、単に小さな実でも辛さがあるという意味に留まらず、見た目は目立たない存在かもしれないが、鋭利な気質や優れた才能を持っていて、侮ることができない存在を、山椒の実に例えています。
新芽はこの時期旬のたけのことの相性もよく、山椒一枚でもあると無いとでは全く趣が変わりますよね。
山椒、いい仕事してます!
古くから親しまれている和ハーブ
山椒は古代から日本で使用されていた和ハーブ。
縄文遺跡の土器から、山椒の果実が発見された例もあるとか。
花・実・芽の全てを食することができますが、薬効も様々あるようです。
平安時代では下痢止めだった?
山椒の成分には胃腸の機能を高める効果があると言われ、下痢止めとしても重宝されていたようです。
また、山椒の皮に含まれているシトローネという精油分が、胃もたれなどに効果があるとか。
そう言われると、香り付けとして少量使うことが多い山椒ですが、すっきりとした味わいがあります。
漢方では乾燥させた実を粉にして、保湿・血行促進・整腸作用のために使用されてもいるようです。
部位によって旬が違います
木の芽と花山椒は4月から5月、実山椒は6月。
熟した実が乾燥し、粉にするのは11月頃となります。
若芽を使う時、使う直前に手のひらにのせて軽く叩いてから使います。
それは、葉の細胞(油点)を軽く潰すことにより、香りが増すためです。
子供の頃は、山椒の香りが苦手でしたが、この手のひらでぱん!と叩くのが面白かった記憶があります。
山椒の木は半日陰でじめじめした環境を好み、直射日光には弱いと言われています。
うちの実家でも、日があまり入らない裏側に植えてあり、この季節には重宝します。
実山椒は、6月、青いうちになるべく早く収穫する。色が変わってくると、硬くなってしまいます。
佃煮や塩煮にして保存します。単体で食すよりも、煮物や焼き物にちょっと使う、あるいは、炊き込みご飯に少し加えるなど。
醤油につけて香りを移すのもいいですね。