お台所の薬箱 食材AtoZ 桑
蚕が食う葉(くうは)で桑という?
お散歩道で見つけた蚕の幼虫。
桑と聞いて何を思い浮かべますか?
私は真っ先に蚕の飼育を思い出します。
小学生の時、理科の授業で蚕を育てたことがありました。
蚕が食べるのは、桑の葉っぱ。桑の木のあるところで葉っぱをもらい、飼育観察をしたものです。
日本で桑という名前の由来は幾つかありますが、いずれも葉っぱに注目されているのに対し、英語のマルベリーは果実に対してつけられたもの。
日本ではまず葉っぱありきの存在だったのだなあと思います。
甘酸っぱい果実は成分的には野菜に近い
カルシウム、鉄、カリウム、ビタミン。
どれを取ってもりんごよりもはるかに多く、カリウムを除いてはにんじんと同等かそれ以上の栄養価があります。
5月から6月にかけて、果実が赤黒く熟していきます。
意外に身近なところに見かけるものです。
色づいた果実は甘酸っぱく美味しいので、鳥たちも狙っています。
甘くて美味しくて、健康的なのを知っているのかな?
高い抗酸化作用で知られる色素・ポリフェノールも多く含まれます。
熟した桑の実でジャムにすると美味しいですが、流通している桑の実はみたことがありません。それこそ自然の恵みですよね。
糖尿病予防としても、注目される、古くて新しい桑の葉茶
ダイエットや高血糖対策食材として注目されている桑葉ですが、その効果に関するいわれは古く、2世紀に中国で著された「神農本草経」にも記されています。
体感として健康に効果があると、伝えられていたことの裏付けの一つとして、桑の葉茶の成分のひとつであるI-デオキシノジリマイシンには、小腸で糖質の吸収を阻止する効果があり、食後の血糖値の上昇をゆるやかにする働きがあります。
そんな効果の期待もあり、桑の葉茶やサプリメントも色々販売されていますよね。
手作りの桑の葉茶はどうやって作る?
葉っぱは緑の綺麗な時期に採取、さっと蒸して乾燥させ、焙煎した方が、ただ乾燥させるより、色もコクも出るようです。
味は癖もなく、いわゆるお茶と変わりなく美味しくいただけます。
私も少量ですが、桑の葉でお茶を作ったことがあります。
粉末にしたものはお菓子にも!
富士山型に作った、豆乳と甘酒のムース。
元のレシピは抹茶で作りましたが、桑のパウダーでも美味しく作れました。
抹茶の代わりとしてお菓子などに使用しても全く違和感なかったです。
色も綺麗に出るし、使い勝手がいいですよ。
小腸で糖質の吸収を阻止する効果があると言われていますので、スイーツの材料として、有効な使い方ですよね。